みなさん、こんばんは。
今日も一日、お疲れさまでした。
この時間、あなたと少しだけお話しさせてください。
まだまだ暑い日が続いていますけど、気がつけば八月も後半。
夏って、始まる前はすごく長く感じるのに、始まってしまうと本当にあっという間ですよね。
海に行こう。
花火を見よう。
旅行もしよう。
今年こそ、夏らしいことをいっぱいしよう。
そんなふうに思っていたはずなのに、気づけば仕事に追われて、休みの日は家でのんびりしていて、
「……あれ? 今年、何したっけ?」
なんて思っている方もいるんじゃないでしょうか。
僕も、まさにそんなタイプです。
でも、面白いもので。
振り返ってみると、「特別なこと」よりも、ほんの小さな出来事のほうが記憶に残っていたりするんですよね。
今日はそんな、
「この季節、体験したこと」
をテーマにお話ししていきたいと思います。
みなさんも、今年の夏を少しだけ思い出しながら、ゆっくり聞いてください。
さて。
僕がこの夏、一番印象に残っている出来事。
実は、ものすごく地味なんです。
旅行でもありません。
海でもありません。
花火でもありません。
ある日の仕事帰りのことでした。
その日は朝からずっと忙しくて、仕事が終わった頃には、もうクタクタでした。
外に出ると、昼間の暑さがまだ残っていて、
「暑いなあ……」
なんて独り言を言いながら歩いていました。
コンビニに寄って、飲み物でも買って帰ろうと思っていたんです。
すると、途中の公園から、
「ミーン、ミーン……」
と、蝉の声が聞こえてきました。
普段なら、うるさいなと思って終わるところなんですけど。
その日はなぜか、足を止めたんですよね。
公園には誰もいませんでした。
ベンチがひとつあって、街灯がついていて。
蝉だけが、夏を惜しむように鳴いていました。
そこでふと思ったんです。
「そういえば、今年、蝉の声をちゃんと聞いたのって、これが初めてかもしれないな」
仕事に行って。
帰ってきて。
スマートフォンを見て。
ご飯を食べて。
寝る。
そんな毎日を繰り返していると、季節が変わっていくことにも気づかなくなるんですよね。
でも、その瞬間だけは、
「ああ、今、夏なんだな」
って、すごく強く感じました。
そして、なんとなくベンチに座って、しばらく蝉の声を聞いていました。
何分くらい座っていたんでしょう。
ほんの短い時間だったと思います。
でも、その時間が妙に心地よかった。
何かをするわけでもなく。
誰かと話すわけでもなく。
ただ蝉の声を聞いている。
それだけ。
なのに、仕事でいっぱいだった頭の中が、少しずつ空っぽになっていくような感じがしました。
みなさんにも、ありませんか?
後から振り返ると、
「なんであんなこと覚えてるんだろう」
と思うような出来事。
僕には、もうひとつあります。
少し前の休日の話なんですけど。
その日は朝から天気が良くて、せっかくだから少し遠くまで出かけようかなと思っていました。
でも、朝起きるのが遅くなってしまって。
「今日はもういいか」
と、結局家で過ごすことにしました。
昼ご飯を食べて、スマートフォンを触って、動画を見て。
気がついたら夕方。
窓の外を見ると、空がすごくきれいだったんです。
青空の端が少しずつオレンジ色になっていて。
雲の隙間から光が差していて。
「ああ、外に出ればよかったな」
なんて思いました。
でも、そのときちょっと考え方を変えてみたんです。
「今日は何もしなかったけど、何もしない休日も悪くないか」
って。
忙しい日々を送っていると、
「休日は有意義に過ごさなきゃ」
と思ってしまうことがありますよね。
どこかへ行って。
何かをして。
写真を撮って。
思い出を作って。
でも、本当は何もしない時間だって、ちゃんと自分の時間なんですよね。
窓を開けると、少し涼しい風が入ってきました。
昼間はあんなに暑かったのに、夕方になると風が少しだけ秋っぽく感じられました。
その風を感じながら、
「今年の夏も、もう終わりに近づいてるんだな」
と思いました。
少し寂しかったですね。
夏って、終わる直前になると急に寂しくなるんですよね。
海。
花火。
蝉。
夕立。
冷たい飲み物。
夜の風。
そういうものが全部、少しずつ遠ざかっていく。
でも、その寂しさも含めて、季節なんだと思います。
みなさんは、今年の夏、どんなことがありましたか?
楽しかったこと。
嬉しかったこと。
ちょっと失敗したこと。
誰かと喧嘩したこと。
新しい人と出会ったこと。
あるいは、何もなかったこと。
実は、「何もなかった」というのも、立派な夏の思い出だと思うんです。
毎日無事に仕事へ行って。
ちゃんとご飯を食べて。
暑い中でも一日を終えて。
家に帰って、ゆっくり眠る。
それだけでも十分です。
僕たちはつい、
「何か特別なことをしなきゃ」
と思ってしまいます。
でも、人生を振り返ったときに残っているのは、案外そういう普通の日だったりします。
あの日食べたアイス。
帰り道に見た夕焼け。
誰かと笑った何気ない会話。
コンビニで買った冷たい飲み物。
蝉の声。
夜の風。
そんな小さな出来事が、あとになって、
「あの夏、よかったな」
と思わせてくれるのかもしれません。
そして、夏の終わりって、少しだけ未来のことを考える季節でもあります。
秋になったら何をしよう。
冬になったらどこへ行こう。
来年の夏は何をしよう。
そんなことを考える。
今年できなかったことがあったとしても、別にいいんですよね。
海に行けなかった。
旅行できなかった。
花火を見られなかった。
それなら、来年があります。
そして、来年まで待たなくてもいい。
秋には秋の楽しみがあります。
冬には冬の楽しみがあります。
季節が変わるということは、
「また新しい時間が始まる」
ということでもありますから。
僕自身も、この夏にできなかったことを、少しずつこれからやってみようと思っています。
無理をせず。
焦らず。
小さな楽しみを見つけながら。
さて、そろそろ今日もお別れの時間です。
最後に、今日この放送を聞いているあなたへ。
もし今年の夏、
「何もできなかったな」
と思っているなら。
どうか、そんなに自分を責めないでください。
あなたが過ごした一日一日は、それだけでちゃんと意味があります。
忙しくても。
疲れていても。
何もできなくても。
今日までちゃんと歩いてきた。
それだけで十分です。
そして、もし少し余裕があるなら。
今日、帰り道で空を見上げてみてください。
夏の夜空は、今しか見られません。
少し涼しくなった風を感じてみてください。
蝉の声が聞こえたら、ほんの少し立ち止まってみてください。
きっと、その瞬間が今年の夏の思い出になるかもしれません。
それでは、今日も最後まで聴いてくださって、ありがとうございました。
また次回、この時間にお会いしましょう。
明日も、あなたにとって素敵な一日になりますように。
おやすみなさい。
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