物語

台本

【物語台本】暗闇の先に光を探して

暗闇の先に光を探して 海が、やけに静かだった。 風はあるのに、波だけが息を潜めている。 夏の終わり。観光客の姿もまばらになった午後、相沢蓮はひとりで海岸を歩いていた。 学校が休みの日になると、蓮はよくこの浜辺に来る。 考えごとをしたいとき。...
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【物語台本】放課後、運命をめくる少女~タロット~

放課後、運命をめくる少女 私立・星乃丘女子高等学校。 淡いクリーム色の校舎に、白い窓枠。春になると正門から続く坂道を桜が埋め、夏には中庭の噴水が陽射しをきらきらと跳ね返す。 制服は紺色のブレザーに、えんじ色のリボン。 そんな少しおしゃれな女...
台本

【物語】鳥のゆく空へ

森のはずれに、とても大きな木がありました。 その木は、まわりのどの木よりも背が高く、朝になると一番最初に光を受け、夕方になると一番最後まで空を見送っていました。 春には淡い緑の葉を広げ、夏には涼しい木陰をつくり、秋には黄金色の葉を風に舞わせ...
台本

夜明け前の小さな喫茶店

その喫茶店は、町の外れにひっそりと建っていた。 駅から少し離れた坂道を上った先。 古い商店街を抜け、街灯の少ない道をさらに歩くと、木造の小さな店が見えてくる。 看板には、手書きでこう書かれていた。 「喫茶 ひだまり」 店の名前とは反対に、店...
台本

海笑顔

その日、海はやけにキラキラしていた。 「よし、今日こそ絶対に釣る!」 浜辺に立ってそう叫んだのは、町一番の元気娘・夏海(なつみ)。身長は小さめ、声はやたら大きい。近所では「歩く拡声器」と呼ばれている。 「いや、毎回言ってるよねそれ」 隣でク...
台本

春の街の道端で。

春の終わり、まだ少し冷たい風が残る朝だった。 小さな町のはずれに、「ひなた商店」という古びた店がある。看板の文字は少し色あせているけれど、毎日きちんと掃除されていて、どこか温かい雰囲気をまとっていた。 店主の佐伯ひなたは、毎朝同じ時間に店の...
物語

【短い物語】抗う方法は1つじゃないの

守りたいものなんて 人それぞれだから 私が守りたいものは、あなたと違うから。 暗闇の中も波の中も騒がしいから 力のすべてを出し切って 抗ったって逆らったって飲み込まれるから いっそ飲み込まれてしまったほうがラクかもしれないって 頭によぎる毎...
台本

物語の集まる場所で。

町の外れに、誰も知らない図書館があった。 灯りはほとんどなく、木の扉も古びていて、看板にはただ「夜の図書館」と書かれていた。 昼間は閉まっているが、夜になると、窓から淡い光が漏れていた。 ある晩、少女の リナ は、星を追いかけるようにその場...
台本

最後の一雫がおちるとき。

町のはずれに、小さな喫茶店があった。 店の名前は「雨宿り」。 古い木の扉、すりガラス、ほんのりと灯るオレンジ色の照明。 そして、深いコーヒーの香りがいつも漂っていた。 店主は、白い髭をたくわえた老人だった。 名前は 浅海(あさみ)。 物静か...
エッセイ

心で奏でるものは。【ミルクの冒険】

ある朝、町に「空色のトランペット」が落ちてきた。拾ったのは、のんびり屋の猫・ミルク。 ミルクが試しに「ぷぅ」と吹くと、なんと空からキャンディが降ってきた。町中の子どもたちは大喜び。「もう一回!」とせがまれて、ミルクは得意げに胸を張る。 しか...