【ラジオ台本】忘れられない人っていますか?

【ラジオ配信】シナリオ台本

こんばんは。

今日も一日、お疲れさまでした。

この時間、眠る前に少しだけ誰かの声を聞きたくて、ラジオをつけてくださっている方もいるかもしれませんね。

今日のテーマは、

「忘れられない人」

です!

みなさんには、忘れられない人っていますか?

昔の友達。

学生時代に好きだった人。

一緒に働いていた人。

もう会えなくなってしまった人。

あるいは、今でもたまに思い出す、名前も知らない誰か。とか!

人生の中には、たった一度しか会っていないのに、なぜかずっと記憶に残っている人がいます。

不思議ですよね。

何年も一緒にいた人よりも。

毎日のように話していた人よりも。

ほんの短い時間しか一緒にいなかった人のことを、ふと思い出すことがある。

今日は、そんな「忘れられない人」について、少しだけお話ししたいと思います。

 

僕にも、忘れられない人がいます。

もう何年も会っていません。

連絡先も残っていません。

今どこで何をしているのかも分かりません。

それでも、たまに思い出します。

その人と出会ったのは、ある雨の日でした。

仕事が終わって外に出ると、突然雨が降り始めたんです。

天気予報では雨なんて言っていなかったので、当然、傘を持っていませんでした。

仕方なく駅まで走ろうと思ったんですが、雨はどんどん強くなっていく。

駅まで歩けば、それなりに濡れてしまう距離でした。

僕がどうしようかと立ち止まっていると、

「よかったら、どうぞ」

と声をかけられました。

振り向くと、知らない人が立っていました。

その人は傘を差していました。

そして、僕のほうへ少し傘を傾けてくれたんです。

「駅までなら、一緒に行きますよ」

僕は少し驚きました。

知らない人です。

普通なら、少し警戒するかもしれません。

でも、その人はごく自然な顔をしていました。

僕は、

「ありがとうございます」

と言って、その傘に入れてもらいました。

駅までの道は、ほんの数分でした。

たいした会話はしていません。

「今日は急に降りましたね」

「本当ですね」

「最近、雨が多いですね」

そんな、どうでもいい話ばかりでした。

駅に着くと、その人は、

「じゃあ、気をつけて」

と言って、人混みの中へ消えていきました。

名前も聞きませんでした。

僕も名乗りませんでした。

それだけの出来事です。

でも、なぜか忘れられない。

今でも雨が降ると、その日のことを思い出します。

たぶん、僕が忘れられないのは、その人の顔ではありません。

正直、今では顔もはっきり思い出せません。

忘れられないのは、

「知らない人に優しくしてもらった」

という感覚なんだと思います。

あの日の僕は、仕事で少し疲れていました。

誰かに優しくしてほしいと思っていたわけではありません。

でも、たった数分、傘を分けてもらっただけで、

「世の中って、そんなに悪くないのかもしれない」

と思えたんです。

人って不思議ですよね。

大きなプレゼントをもらったわけでもない。

人生を変えてもらったわけでもない。

ただ、雨の日に傘を差し出してもらっただけ。

でも、それが何年経っても残っている。

みなさんにも、そんな人はいませんか?

あなたの人生の中に、ほんの少しだけ登場して、

何かを残していった人。

その人自身は、そんなことをしたことすら覚えていないかもしれません。

でも、あなたは覚えている。

もしかすると、人との出会いって、そういうものなのかもしれません。

自分では気づかないうちに、誰かの人生に小さな影響を与えている。

そして、自分もまた、誰かから受け取った優しさを知らないうちに次の誰かへ渡している。

そう考えると、少し素敵ですよね。

僕は以前、

「忘れられない人は、忘れなくてもいいんじゃないか」

と思ったことがあります。

昔の恋人を忘れられない。

昔の友達を忘れられない。

亡くなった人を忘れられない。

そういうとき、

「もう忘れなきゃ」

と思ってしまうことがあります。

前に進むためには、過去を捨てなければいけない。

そんなふうに考えてしまう。

でも、僕は最近、少し違うと思うようになりました。

忘れなくてもいいんですよね。

大切だった人なら。

大切だった時間なら。

思い出すたびに少し胸が痛むとしても、

「それだけ大切だったんだな」

と思えばいい。

思い出は、持ったままでも前に進めます。

昔好きだった人を思い出しながら、新しい恋をすることだってできる。

昔の友達を懐かしく思いながら、新しい友達を作ることもできる。

亡くなった人を思いながら、今日を生きることもできる。

過去と未来は、どちらか一つを選ばなければいけないものではないんだと思います。

そういえば、僕にはもう一人、忘れられない人がいます。

昔、仕事で大きな失敗をしたときに出会った人です。

そのときの僕は、とにかく落ち込んでいました。

自分には才能がない。

向いていない。

もう辞めたほうがいい。

そんなことばかり考えていました。

そんな僕に、その人が言ったんです。

「失敗したってことは、ちゃんと挑戦したってことでしょ」

その言葉を聞いて、僕は何も言えませんでした。

当時は、

「そんな簡単な話じゃない」

と思いました。

失敗したことが消えるわけじゃない。

怒られたことも消えない。

迷惑をかけたことも変わらない。

でも、何年か経った今、その言葉の意味が少し分かるようになりました。

失敗しなかったということは、

何も挑戦しなかったということかもしれない。

もちろん、失敗は苦しいです。

できれば避けたい。

できれば恥ずかしい思いもしたくない。

でも、失敗した自分を、

「ダメな人間だ」

と決めつけなくてもいい。

あの人は、たった一言で僕にそれを教えてくれました。

今、その人に会えるなら、

「ありがとうございました」

と伝えたいです。

たぶん、それだけで十分です。

みなさんにも、

「今なら、あの人にありがとうと言いたい」

と思う人がいるでしょうか。

もし連絡できるなら、連絡してみてもいいかもしれません。

「久しぶり」

だけでもいい。

「元気?」

だけでもいい。

あるいは、もう連絡できない人なら。

心の中で、

「ありがとう」

と言ってみる。

それだけでもいいと思います。

届くかどうかは、分かりません。

でも、自分の中に残っていた言葉を、そっと外へ出してあげる。

それだけで、少しだけ心が軽くなることがあります。

そして、もう一つ。

もし今、

「自分には、そんなふうに思ってくれる人なんていない」

と感じている人がいたら。

それも、まだ分かりません。

あなたが知らないところで、

「あの人に助けられた」

と思っている人がいるかもしれません。

あなたが何気なく言った一言。

誰かに譲った席。

「ありがとう」と言ったこと。

落ち込んでいる人にかけた言葉。

何気ない笑顔。

あなたにとっては、ほんの小さなことでも。

誰かにとっては、それが忘れられない出来事になっているかもしれません。

人の心に残るのは、

必ずしも大きな出来事ではありません。

むしろ、

何気ない優しさだったりします。

だから、明日。

もし誰かに親切にできる余裕があったら。

ほんの少しだけ、優しくしてみてください。

「ありがとう」を一つ多く言う。

誰かのためにドアを押さえてあげる。

困っている人に声をかける。

それだけでいい。

もしかしたら、その人の人生の中に、

あなたが「忘れられない人」として残るかもしれません。

さて。

そろそろ、今日もお別れの時間です。

最後に、今日のテーマ、

「忘れられない人」。

あなたの心に浮かんだ人は、誰でしたか?

昔の恋人でしょうか。

親しい友人でしょうか。

家族でしょうか。

それとも、もう二度と会えない人でしょうか。

どんな人であっても。

どんな思い出であっても。

無理に忘れなくていいと思います。

楽しかった思い出も。

悲しかった思い出も。

後悔していることも。

全部含めて、あなたが歩いてきた時間です。

そして、その人と出会ったからこそ、今のあなたがいる。

そう考えれば、

忘れられないということは、

悪いことではありません。

大切な人を大切だったまま、心の片隅に置いておく。

そして、自分は自分の時間を生きていく。

それでいいんだと思います。

僕も、雨が降るたびに思い出すでしょう。

あの日、傘を差し出してくれた人のことを。

名前も知らない。

もう会うこともない。

でも、あの日もらった優しさは、今も僕の中に残っています。

そして、いつか僕も誰かに傘を差し出せたらいいなと思います。

それが、あの日の優しさへの、

小さな恩返しなのかもしれません。

それでは、今夜はこのあたりで。

今日も最後まで聴いてくださって、ありがとうございました。

あなたの心に残っている「忘れられない人」が、

今夜、少しだけ優しい思い出として蘇りますように。

そして、もし明日、誰かと出会ったら。

その人にとって、あなたもまた、

忘れられない人になるかもしれません。

それでは、また次の夜に。

おやすみなさい。

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